自分がかかわっている子どもは、発達障害かもしれない? |
そんな心配をされている方に向け、今日は発達障害に気付くためのポイントを紹介します。
発達障害はその子の個性です。
しっかりと受け止め、対応していけば幸せになることができます。
しかし、受け止めずその子の力以上のことを求めてしまうと、子どもがつぶれてしまいます。そうならないためにもしっかりとした知識をもつようにしましょう。
発達障害とは
発達障害とは、通常低年齢で発現する脳機能の障害です。発達障害者支援法第二条では以下のように定義されています。
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの
発達障害に気付くためのポイント
それでは、発達障害に気付くためのポイントを7つ紹介していきます。
- 人とのかかわり方
- コミュニケーション
- イマジネーション・想像性
- 注意・集中
- 感覚
- 運動
- 学習
人とのかかわり方
- 一人遊びが多い、一方的でやりとりがしにくい。
- おとなしすぎる、常に受動的である。
- 大人や年上の子、あるいは年下の子とは遊べるが、同級生とは遊べない。
コミュニケーション
- 話は上手で難しいことを知っているが、一方的に話すことがが多い。
- おしゃべりだが、指示が伝わりにくい。
- 話を聞かなければならない場面で離席が多い、聞いていない。
イマジネーション・想像性
- 相手にとって失礼なことや相手が傷つくことを言ってしまう。
- 友達がふざけてやっていることをとらえ違えて、いじめられたと思ってしまう。
- 集団で何かしているときにボーっとしていたり、ふらふらと歩いていたりする。
- 急な予定変更時に不安や混乱した様子が見られる。
注意・集中
- 一つのことに没頭すると話しかけても聞いていない。
- 落ち着きがない、集中力がない、いつもぼんやりとしている。
- 忘れ物が多い、毎日のことなのに支度や片づけができない。
感覚
- ざわざわした音に敏感で耳をふさぐ、雷や大きな音が苦手。
- 靴下をいつも脱いでしまう、同じ洋服でないとダメ、手をつなぎたがらない。
- 極端な偏食。
運動
- 身体がクニャクニャとしていること、床に寝転がることが多い。
- 極端に不器用、絵やひらがなを書くときに筆圧が弱い、食べこぼしが多い。
- 運動の調整が苦手で乱暴に思われてしまう、声が大きい。
学習
- 話が流暢で頭の回転が速いことに比べて、作業が極端に遅い。
- 難しい漢字を読むことができる一方で、簡単なひらがなが書けない。
- 図鑑や本を好んで読むが、作文を書くことは苦手である。
発達障害の子への支援のポイント
それでは、発達障害の子への支援はどのようにすればよいのでしょうか?
自閉症スペクトラム、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つ特性についてポイントをまとめます。
自閉症スペクトラム
自閉症スペクトラムの子は『社会性の障害』『コミュニケーションの障害』『想像力の障害』の3つの特性があります。
見通しがもてないと不安に思ってしまうので、具体的に指示を出すことが大切です。
自閉症スペクトラムの支援のポイント
- 説明がなくても、目で見てわかるような環境(時間・内容・場)を設定する。
- 見本や図、絵カード、写真などの視覚的な補助をし、活動の見通しをもたせる。
- 「1分以内に」「10題やる」など、具体的に指示を出す。
- 相手の様子や気持ちを言語化して伝える。
- 一斉支持は入りにくい。個別に声をかける。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)の子は『不注意』『多動性』『衝動性』の3つの特性があります。
ADHDの子は集中力はありますが、それが逸れてしまいやすいです。
環境を整えて集中力をコントロールしやすくすることが大切です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の支援のポイント
- 叱ることより、望ましい行動を教える。
- 短時間でできる課題(集中できる時間の配慮)
- 指示は注意を引いてから、1回に1つ、具体的に出す。
- 視覚的支援の活用(予定表、整理の仕方、持ち物)。
- 座席の配慮。
- 教室環境の整備。
- メモをとらせる。
- 医療との連携も考慮。
学習障害(LD)
学習障害(LD)は、「聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち、特定の学習能力にかたよりや習得の困難さが見られるもの」です。
学習障害(LD)の子は『読字障害』『書字障害』『算数能力障害』の3つの特性があります。
話すことは得意なのに文字を読めない。
文字は読めるのに正しく書けない。
計算は得意なのに文章題が解けない。
学習障害(LD)の支援のポイント
- 不要な情報の削除
- 大事な情報の強調
- 代替ツールを上手に利用する。
- 読む量、書く量、マスや罫線など負担の軽減
- 「できない」ことばかりを気にせずに「できる」ことに目を向ける
- 他の子と比べない
まとめ
今日は、発達障害に気付くポイントを7つ紹介しました。
発達障害の子には、合理的な配慮をする必要があります。
【平等】と【公平】の違いを意識する必要があります。
次のイラストを見てください。
左が【平等】で右が【公平】です。
みんなが同じ支援を受けるのではなく、その人に合った支援を受けられるようにすることが大切です。
このイラストの場合、『野球の試合を観る』ために左の人には箱はいりませんが、右の子には2つないといけません。
スタートラインをそろえるという意識です。
発達障害のある子もこのイラストの右の子と一緒です。
スタートラインをそろえるためにまずは、知ることから始めましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。