なぜ学校に来るのかという話
みんなは一人一人違うメガネを掛けて生きています。
そのメガネを通して世の中を見ると、自分の考えていることがすごく反映されて写ります。
例えば、「運動ができる人は乱暴な人だ」と考えている人には、実際にも運動ができる人が友達に対して暴力的に見えてしまいます。
そんなメガネをみんな一人一人が掛けています。
そのメガネは自分の体調によっても見え方が変わってきます。
自分の体調が良い時には、多少嫌なことがあっても良く写りますし、体調が悪い時には、ちょっとしたことでも煩わしく見えてしまいます。
そんなメガネを一人一人が掛けています。
そして、みんなはそのメガネを通して世の中を見ていることに気づいていません。
つまり、自分が見ているこの世界が一番正しいと思っています。
他人は自分のことを全然わかってくれない、と思う人はいませんか。
それは当たり前です。
自分の見ている世界と他人が見ている世界は違うのだから。
だから、一人一人がそうしたメガネを掛けているということを少しでもいいので理解してください。
僕もあなたも自分に都合の良い景色を見せてくれるメガネを掛けているのです。
完璧に相手のことを理解するなんて無理です。
だからこそ、相手とはちゃんと話をする必要があるのです。
「僕はこう思うだけど、君はどう思うんだい?」
「君はそういう意見なんだね、僕はこういう意見だよ」
相手は自分のことをわかっているはずという立場から早く降りてください。
その立場でいる限り、相手とわかりあうことはできません。
相手と自分は違うのだからちゃんと話し合う必要がある、という立場に登ってください。
このことを勉強する場が学校でありクラスです。
義務教育を卒業すると本当に、自分の常識の範囲の外で生活している人が大勢います。
そうした人たちにである前に、今、学校の中で、人間関係を学んでいるのです。