
こんにちは、
今日は、魔法陣(まほうじん)を方程式で考えていく方法を紹介します。
一度は見たことがある魔法陣、規則は知っているけど、その作り方まで知っている人はあまりいないのではないでしょうか?
魔法陣は方程式で考えることができます。
中学校1年生の1次方程式をある程度学習した後、先生から子どもたちに提示してみても面白いかもしれません!
ではいきましょう!
魔法陣(まほうじん)とは

出典:Wikipedia (メランコリアの魔法陣)
魔法陣は、上の絵のように、たて・よこ・ななめ、それぞれの数の和がすべて同じになるようにつくられている正方形です。
上の絵の魔法陣は、1列に4つの数字が並ぶ4次の魔法陣です。
一般に、数字が n 個ずつ並んでいるものを n 次の魔法陣といいます。
3次の魔法陣について考えよう!
今日は一番簡単な3次の魔法陣について考えていきます。


いいえ、3次の魔法陣は基本的には1種類ですよ。
基本となる魔法陣をつくることができれば、それに加工をすることでいろいろなものがつくれます。
例えば、以下の魔法陣を基本とします。
【基本形】
4 | 9 | 2 |
3 | 5 | 7 |
8 | 1 | 6 |
①【基本形】の数に2を足せば・・・数字が大きくなる!
6 | 11 | 4 |
5 | 7 | 9 |
10 | 3 | 8 |
②【基本形】の数に5を引くと・・・マイナスでもOK!
−1 | 4 | −3 |
−2 | 0 | 2 |
3 | −4 | 1 |
③【基本形】を右に90°傾けると・・・形が変わる!
8 | 3 | 4 |
1 | 5 | 9 |
6 | 7 | 2 |
④【基本形】を裏返し(左と右の列を入れ替える)にすると・・・入れ替えるのは列でも行でもOK!
2 | 9 | 4 |
7 | 5 | 3 |
6 | 1 | 8 |
このように、【基本形】に加工することで、1種類の魔法陣から様々な魔法陣を作ることができます。
もちろん、上の①〜④を組み合わせても大丈夫です。
3次の魔法陣を方程式で考えよう!
魔法陣の仕組みがわかったところで、一番基本となる【基本形】の魔法陣の作り方を考えていきましょう!
作り方の方法は複数ありますが、今回は方程式を使って考えていきます。
内容は、中学校1年生の1次方程式がわかれば作ることができます!
数学の自由研究などにも使えます!
作り方
a | b | c |
d | e | f |
g | h | i |
目標はこの a ~ i に1〜9の数字を入れていくことです。
使う数字は1〜9なので、合計すると、
1+2+3+4+5+6+7+8+9=45
縦の列に注目すると、全部で3列あります。
つまり、1列の数の和は、
45÷3=15
となります。
よって、1〜9を使う魔法陣の場合、たて・よこ・ななめの数の和は全て15となります。
ここで、真ん中の e を含む、たて・よこ・ななめの数の和に着目します。
a + e + i , b + e + h , c + e + g , d + e + f
これらはそれぞれ和が15になりますから、
( a + e + i ) + ( b + e + h ) + ( c + e + g ) + ( d + e + f ) = 15× 4
()をとり、まとめると、
( a + b + c + d + e + f + g + h + i ) + 3e = 60
ここで、( a + b + c + d + e + f + g + h + i ) は1〜9の総和だから、45となります。
a + b + c + d + e + f + g + h + i = 45
ゆえに、
( a + b + c + d + e + f + g + h + i ) + 3e = 60
45+ 3e = 60
3e = 15
e = 5
a | b | c |
d | 5 | f |
g | h | i |
つぎに、1を入れていきます。
仮に、a =1 とします。すると、
a + 5 + i =15
より、i = 9 であることがわかります。
また、
b + c = 14 , d + g = 14
となる。
ここに、残った数字、2・3・4・6・7・8を当てはめます。
しかし、和が14になる組み合わせは、6+8しかありません。
したがって、a = 1 は成り立たないことがわかります。
同様にして、c , g , i に1を入れても成り立ちません。
よって、1が入るのは、( b , d , f , h )のいずれかになります。
ここで、h = 1 とすると、
b + 5 + h =15
より、b = 9 であることがわかります。
a | 9 | c |
d | 5 | f |
g | 1 | i |
また、 g + i = 14となるので、g と i は、6または8のいずれかになります。
g と i のどちらを6としても本質的には同じです。(上の④で述べたように、裏返しにすることができるから!)
g = 8 , i = 6 とすると、あとは残った数と文字から、
a | 9 | c |
d | 5 | f |
8 | 1 | 6 |
a = 4 , c = 2 , d = 3 , f = 7
となります。
【完成】
4 | 9 | 2 |
3 | 5 | 7 |
8 | 1 | 6 |
以上、3次の魔法陣の方程式での考え方でした!
何かしら参考になれば幸いです!
数学は至るところに隠されています、いろいろな数学に触れていきたいですね!
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