こんにちは、3月は卒業シーズンですね。
中学3年生にとっては義務教育最後の一ヶ月ということもありとても大切な節目の季節です。
3年生を担任している先生からすると、最後の頑張りどころでもありますね。
僕も今年で6年目の教員ですが、3年生は3回担任させてもらいました。
つい先日、無事に3回目の卒業生を送り出しました。
なので、今日は卒業前に「こんなことするといいよ」「こうことをしていた先生もいるよ」ということを紹介していきます。
これから3年生の担任をすることになる先生方の参考になれば嬉しいです。
卒業式前の話をしますが、1年生2年生の年度末でも十分に活用することができます。
年度の初めから卒業式をイメージしておくと、一年間の見通しをもつことができます。
自分もそうですが、初めて卒業生を送り出した日に思うことは、「もう少し考えておけばよかった」ということです。実際、今年初めて卒業生を送り出した担任の先生にお話を聞いたら、
このようなことをお話ししてくれました。
中学生にとっての最後の大きな行事、準備万端で臨み最高の卒業式になるように4月から準備していきましょう!
はじめに
今日の記事で紹介することは以下の通りです。
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1・2年生の担任の先生方は年度末にすることとして捉えてください。
それでは、それぞれみていきましょう。
卒業式を間近に控えたときに話すこと
受験が終わり、いよいよ卒業式の練習が始まるというときには、担任から子ども達に向け、卒業式に臨む態度や流れを確認する時間をとりましょう。
落ち着いた雰囲気で、子ども達がリラックスした状態で話します。
まず、3年間を振り返り、中学校生活で自分が成長したと思えることを考えさせましょう。さまざまな行事や出来事が子ども達の中から出てきます。少し時間をとり、周りの人とシェアさせるといいですね。
どんな思い出でも構いません。担任の先生はすべての発言に対して肯定的なコメントをしましょう。この時間は一人一人が主役となれるよう肯定的な雰囲気を作ります。なにより笑顔が大切!
3年間の振り返りをしたら、次に卒業式の流れの確認をします。
卒業式ではさまざまな『お話』があります。校長先生からの祝辞、在校生からの送辞、卒業生からの答辞などです。
何も意識しないと「長い話だな〜」だけで終わってしまいます。しかし、その内容には、先ほど自分たちで挙げた3年間の思い出が語られているはずです。その話にしっかりと耳を傾け、自分のこととして聞くようにしていきましょう。
お話をしているときに感極まって涙を流すのは、話を自分ごととして振り返っているからです。一人一人が自分ごととして話を聞いている卒業式だと素敵ですよね。
最後にどのような気持ちや態度で式に臨むのかを考えさせます。
これも先ほどと同じように子どもに考えさせ、周りでシェアさせます。「粛々と行う」「しっかりとした態度で臨む」などといったような発言が出てくると思います。担任の先生はそれらの発言を『感謝』に結びつけます。
入退場、お辞儀、証書授与の受け取り、合唱などすべてに堂々とした態度で臨み、卒業式に関係する仕草一つ一つがお世話になった人達への感謝の気持ちとして表れることを自覚させます。
卒業式関係の掲示物
卒業式に向けた掲示物を作ると気持ち的にも盛り上がります。
代表的なものとしては、卒業式までの『日めくりカレンダー』ですね。
A4サイズの紙の上に穴を開ければ簡単に作ることができます。紙に「卒業まであと 日」と書いておけば、実際に生徒が書くのは自分の出席番号とクラスへ向けてのメッセージだけです。出席番号を書くのは他の子と被ることがないからです。数字を書くにしても、イラストを書いたり色鮮やかに描いたりと工夫するのですごく見ていて気持ちがいいです。
全員に書かせるのが難しい場合は10日間だけに絞り、グループでB4サイズほどの紙に書かせても面白いです。それこそ数は少ないですが、より華やかになります。
一人一人のカレンダーはそのまま掲示物になるので、終わった紙を廊下や教室に掲示しておきます。卒業式の日にすべてのカレンダーを黒板に掲示しておくと一つの作品になります。
カレンダーと共に一人一人の写真を撮っておくのも一つの手です。必ずクラス全員が写ることになりますし、卒業式の日の教室の掲示物としても使えます。卒業式前に掲示物を全て剥がしてしまう学校が多いので卒業式の日は教室が殺風景になりがちです。しかし、その写真があるだけで教室の背面はすべて埋めることができます。
卒業式関係のプロジェクト
卒業式の前の一週間には結構時間があります。
クラス単位ではなく、学年単位で学校に対する感謝を伝えるためにさまざまなプロジェクトを考えて行うと卒業に向けての気持ちが高まっていきます。
受験が終わると一週間は卒業式の練習になります。長いところは二週間ほど時間が取れる学校もあるでしょう。
その時間、卒業式を感動的なものにすることももちろん大切ですが、それ以外のところで生徒の最後の活動の場を与えること大切です。
できることとしては、以下の5つぐらいでしょう。
- 学校クリーン作戦
- お世話になった先生方への感謝を伝える
- 保護者へのお手紙
- 最後のレクリエーション
- 在校生へのメッセージ
学校クリーン作戦
その名の通り学校をクリーンします。要するに掃除です。
お世話になった校舎に対して最後にピカピカにして恩返しをします。教室はもちろん、特別教室や昇降口など普段の掃除以上に綺麗にする時間を取れるといいですね。
3年生の机やイス、タブレットは来年度新1年生が使います。
担任の先生は、この時間を利用して古くなったり落書きがある机やイスをチェックしておきましょう。タブレットは指紋や埃を取りますがデータの整理も確実に行いましょう。
お世話になった先生方への感謝を伝える
卒業するまでに学校にいるすべての先生と何かしら関わっているはずです。その先生方へ感謝を伝えるのは子ども達の心の成長を促すためのよい機会です。
先生一人一人に代表生徒を割り振り手紙を書かせます。他学年の先生方の邪魔にならないお昼休みの時間に一気にお礼を言いに行かせます。事前に先生方に話を通しておくとスムーズになります。お花とお手紙を渡すだけでも十分です。
本来なら子ども達から「ぜひやりたい!」となれば最高ですが、卒業前では自分たちのことで頭が一杯になります。だからこそ、そういった機会を提供することが大切だと考えます。
保護者へのお手紙
卒業式は子どもと同じくらい保護者にとっても大きな節目の行事です。
卒業証書は、義務教育期間、自分の子どもを育て上げた証でもあります。
そこに自分の子どもからの感謝の手紙があれば、喜ばない保護者はいないのではないでしょうか。
中学時代は反抗期真っ盛りです。多かれ少なかれ子どもと保護者の意見が対立することがあると思います。面と向かって感謝を伝えるのは恥ずかしくなってしまいますが、手紙なら素直に感謝を伝えられます。
卒業式が近いからこそ、保護者への感謝の気持ちを表す機会を作ってあげましょう。
最後のレクリエーション
中学校最後のレクリエーションです。
内容はなんでもいいですが、最後のクラス最後の学年として最後は友達と良い思い出を作れるといいですね。終わりよければすべてよしという言葉もありますから、笑顔で最後をむかえましょう。
クラスでのレクリエーションも面白いですが、おすすめは学年全体でのレクリエーションです。
学年全体で実行委員を作り、3つ4つ内容を考えます。
最初の内容を旧1年生のクラス、次の内容を旧2年生のクラス、その次の内容を現3年生のクラスで行い、最後の内容を全体で行うなど、チーム分けを学年ごちゃ混ぜにすると学年としての思い出になります。
最後の最後に学年全員で撮る写真は涙が出るほど最高です。
在校生へのメッセージ
これからの学校を任せる在校生にメッセージを残すのは先輩の最後の仕事です。
多くは、三年生を送る会でのお返しなどで発表する機会があります。これも実行委員をつくり、在校生のためになることを考えて実践していきます。
呼びかけ、歌、掲示物など、形はどうであれ3年生からの思いが伝わるものを実行委員と共に考えていきましょう。
卒業式に向けて担任の先生ができること
卒業式に向け、担任の先生は「クラスの子達に何かできないかな」と考えることも多いと思います。
正直、特別何かやらなくても、これまでの先生方が子ども達にしてきたことが子ども達への最大の贈り物です。
ただ、それでも「卒業式を盛大に祝ってあげたい!」と思うのであれば、いくつかできることがあります。代表的なのは以下の3つです。
- 子どもに何か贈る
- 黒板を使ってお祝いする
- スライドショーを作って流す
子どもに何か贈る
卒業後もクラスの一員であったことを覚えていてもらえるように贈り物を渡します。
その内容も様々です。
一人一人に手紙を書いたり、クラス写真を現像したり、絵を描いたり、プラ板でキーホルダーを作ったりとそれぞれの先生の得意をいかすとオリジナリティ溢れる贈り物になります。
一人一人に手紙を書くのは中々の労力です。僕は最初に卒業生を送り出すときに手紙を書きましたが完成までに一週間かかりました。しかし、子ども達はとても喜んでくれます。
クラスの写真を現像するのはお金がかかるので、パワーポイントを利用し、A4サイズの紙に写真を何枚か貼り付けて印刷するといい感じになります。
絵を描くのは苦手なので、絵を贈るのはやったことがありません。しかし、絵を描くのが得意な先生はやってみても面白いかもしれません。
プラ板でのキーホルダーも自分ではやったことがありませんが、知り合いの先生がやっていました。子どもからすると、キーホルダーをもらう経験はあまりありませんから貰ったら大切にしてくれるそうです。
黒板を使ってお祝いする
いわゆる黒板アートですね。
黒板アートに関しては賛否両論ありますが、僕はやりたい人はやればいいしやりたくない人はやらなければいい派です。
実際僕も黒板アートをやったことがあります。壮大な作品を作りたい場合は別ですが、簡単な作品ならプロジェクターに写してその上をなぞるだけなので2時間ほどで終わります。
また、黒板アートでなくても、担任の先生の1年間の思いを黒板に書けば、それだけで立派な黒板アートです。
ある先生は、クラスの生徒一人一人の名前の頭文字を使ってメッセージを書いていました。もちろんそれを子ども達がみて気づいたときには歓声が上がっていました。
さらに、黒板に何も書かなくても、上で紹介した『日めくりカレンダー』を黒板全面に張り出しておくだけでも華やかになります。
スライドショーを作って流す
1年間の学校生活には子ども達の写真が無数にあるはずです。
その写真を音楽にのせて流すと素敵なスライドショーになります。
スライドショーというとパソコンが苦手な方にとってはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、今は【iMovie】や【ムービーメーカー】など操作が簡単で直感的なソフトがどんどん出てきていますから簡単に感動的なスライドショーができます。
僕は、担当学年が3年生でなくても毎年スライドショーを作っています。そのため、ある程度スライドショーの構成も決まっています。
- クラスの生徒の紹介
- 体育祭
- 合唱祭
- 校外学習
- 日常
この5つそれぞれに音楽をのせれば、20分弱のスライドショーが完成します。作るコツとしては、画像だけにしないことです。途中途中に動画をはさむと20分弱でも飽きずに観ていられます。
卒業式にスライドショーを流すことを決めておけば、4月から写真を集めることもできます。
行事での写真はたくさん集まると思いますが、普段の学校生活の写真は少なくなりがちです。しかし、もうスライドショーで使うとわかっていれば、意識的に写真を撮るようになります。クラスの活動があれば写真、何か面白いことをしていれば写真、のようにすぐカメラを構えられるようにしましょう。また、カメラ係というのを作って子どもに撮らせると日常の写真を簡単に集めることができるのでおすすめです。
卒業式当日
最後に卒業式当日の動きを紹介します。
朝担任の先生はいつもより早めに出勤しましょう。
スライドショーを作っている場合は映像の確認をします。パソコンやタブレットをセットすれば終わり、という状態にしておきます。
教室全体を見渡して、黒板のメッセージや掲示物の確認をしましょう。
生徒を迎える準備をしたら卒業式の流れをもう一度確認します。
何時に生徒が登校するのか。何時に教室を出るのか。何時に卒業式が始まりいつ終わるのか。朝のうちに何を子どもに伝えておくのか。
意外と忘れがちなのが卒業式での先生の動きです。子どもの動きだけに気を取られていて、自分の動きが二の次三の次になりがちになります。担任の先生のミスはそのクラスの子どもに恥をかかせてしまうことになります。子どもの確認が済んだら必ず先生自身の確認もしましょう。
一番確認しなければならないのは、卒業式後に子ども達に何を話すかです。
担任の先生からの最後の言葉は子ども達にとってはとても印象に残ります。子ども達をしっかりと送り出す素敵な言葉を考えておきましょう。
話を考えるのが苦手な人は、この時間に学級委員を褒め称えるというのがおすすめです。これまでクラスをまとめてきて学級委員を最後にクラス全員で褒めると温かい雰囲気で終わることができます。
まとめ
今日は、担任の先生が卒業式に向け、やった方がよいことや考えておいた方がよいことを紹介しました。内容をもう一度確認すると以下の5つです。
- 卒業式を間近に控えたときに話すこと
- 卒業式関係の掲示物
- 卒業式関係のプロジェクト
- 卒業式に向けて担任の先生ができること
- 卒業式当日
卒業式は子どもにとっても保護者にとっても先生にとっても大きな行事です。
卒業生を受け持つ担任の先生は、事前に準備を万端にすることで卒業式に心から臨めます。
最高の卒業式になるようにしっかりと準備をしていきましょう。
以上、何かしら参考になれば幸いです。
様々なことを紹介しましたが、卒業生でなくとも、日めくりカレンダーを作ったり、スライドショーをみせたりすることができます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。