【中学校教師が考える】子どもの主体性の伸ばし方【受け身人間からの脱却】
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中学校の教師として毎年200人弱の生徒をみてきました。

大人しい学年だったり、授業離脱してしまうような学年だったり、と学年によって傾向は違いますが、毎年必ずと言っていいほど、優秀な子がいます。

その子達は、自分で考え、計画し、関係する先生にアポを取り、交渉して自分たちでやりたいことを成し遂げてきました。

彼らに共通するのは「主体的」であることです。

比べるのは良くはありませんが、優秀な子たち以外の子は基本「受け身」です。

もちろん、言われたことをしっかりやり遂げることも立派です。

しかし、これからの変化が激しい時代では、言われたことをするだけでなく、自分で考えて行動し成し遂げることが重要となります。

なぜなら、変化が激しいと、正解が日々変化するので、「言われたこと」をやっても良い結果にならない可能性があるからです。

今日は、優秀な子たちと関わっていく中で見えた特徴を紹介します。

自分の子育てや先生としての関わり方の参考になれば幸いです。

 

主体性がないとどうなる?

主体性がない子は基本「受け身」という話をしました。

では、具体的に中学校において、主体性がある子とない子ではどのような違いがあるのかをみていきましょう。

  • 勉強への取り組み
  • 進路の決め方
  • 部活への取り組み
  • 意思決定のしかた

勉強への取り組み

主体性がある子:自分なりのやり方を考え、アップデートしていく

主体性がない子:必要に迫られるまでやらない

勉強に対して、主体性がある子は目標を自分で立て、その目標に向かって勉強に励みます。中学校1年生のときから具体的な高校名を目標にして努力し、見事その高校に合格した子もいます。また、自主学習への取り組みをみると、曜日ごとに勉強する教科を決めたり、ノートの使い方を工夫したりするなど柔軟にやり方をアップデートしていきます。主体性がある子の三者面談で保護者の方とお話をすると、「家で勉強しろと言ったことがありません」という方が驚くほど多いです。

一方、主体性がない子はそもそも勉強に対してのモチベーションが高くありません。テスト前にならないと机に向かわないという子が多いです。なんなら、テスト前での勉強しない子もいますが…。そうしたことを積み上げると、中学校三年生で、いざ受験勉強が始まるときに、そもそも「家での勉強の仕方がわからない」という状況になってしまいます。主体性がない子の三者面談では、「勉強しろと言っても全くやらないんです、どうしましょう」という相談をされる保護者の方が多いです。

 

進路の決め方

主体性がある子:自分で決める

主体性がない子:親や友達に合わせる

進路指導をしていると、主体性がある子は自分の進路を自分で決めています。当たり前のように思うかもしれませんが、自分で進路を決めるというのは自分の人生に自分で責任をもつということなので中学生にはなかなかできることではありません。しかし、その子は、悩みに悩んで、担任以外の先生に聞いたり、保護者に相談したり、と進路を決めるために自分で情報を得て決めています。三者面談でも、保護者がA高校のメリットとデメリット、B高校のメリットとデメリットを子どもに提示し、最終判断は子どもに決めさせていた方もいました。

一方、主体性がない子は、親の意見で決めたり、友達と同じだからという理由で決めています。そのような決め方をしているから、当然モチベーションは低いくなります。「このぐらいでいいや」という思考になり、成績が一番伸びる時期を漫然と過ごしてしまします。運良く進学できたとしても、その先で壁にぶち当たった時に乗り越えられるかどうかはあやしいところです。壁にぶち当たったのを親のせいにするかもしれません。今は仲の良い友達でも、高校進学してからもずっと仲が良いかはわかりません。いずれにせよ、進路選択は人生においての大きな選択ですから、自分の意思で決めないと高校に進学した後に良くない結果になりかねません。

 

部活への取り組み

主体性がある子:自主練を欠かさず、試合の結果から学ぶので成績が安定する

主体性がない子:練習への参加率が低く、試合の結果に一喜一憂するだけで成績が安定しない

部活動への取り組みは、主体性がある子は学校での練習以外にも自分で練習をしています。さらに、試合の結果から何が良くて何が悪かったかを分析するので成績が安定します。人からのアドバイスを受け入れ自分の型を柔軟に変化させることができます。また、自分から部活に対して積極的に関わっているので、部活ができるということを当たり前のこととして捉えず、保護者や先生に対しても感謝の気持ちを行動で示すことができます

一方、主体性がない子は、最低限の練習しか行いません。その中でも、決められた練習をただこなすだけというスタイルなので、練習以上のことは身につきません。時間を見つけて練習することもないので、自分に本当に必要な練習ができていません。そのため、試合もその日の調子に左右されてしまいます。調子が良ければ成績が良く、調子が悪ければ成績が悪い。さらに、その成績に一喜一憂しているだけなので、まさにギャンブルのようなものです。

 

意思決定のしかた

主体性がある子:自分のやりたいことをする

主体性がない子:周りの目を気にして決める、親の指示に従う

係活動やクラスでの決め事など、学校生活を送っていると様々な意思決定の場があります。そのときに主体的な子は、自分のやりたいことをやります。ここだけ聞くと、ただのわがままに聞こえるかもしれませんが、自分がやりたいことをするために、他の部分では友達に譲るなどコミュニケーションが上手です。全てでやりたいことを貫き通すのではなく、優先順位を決め、自分が一番やりたいことができるようにバランスよく物事を考えることができます

一方、主体性がない子は、周りの目を気にして決めます。これは自分に自信がもてないことが原因です。「〇〇ちゃんがそうするから自分もそうする」「△△さんが言ったことに賛成する」など、先生の立場としては、意見が食い違わない方が楽ですが、その子の将来を考えると、自分のことなのに自分で決められない人になってしまします。クラスの小さな決め事ならまだしも、自分の進路を決めるときになっても自分で決められないということになるとかなり苦労します。また、学校生活以外でも親の指示に従う機会が多くなります。家事全般を親が行ってしまうので、自分で家事をするという経験がありません。その日に着る服も親に選んでもらう子もいると聞きます。ある中学一年生は、制服を着るときに親の手助けがないと着れないそうです。

 

子どもの主体性を育てるためには?

子ども主体性を育てるためには、たった一つの習慣が身に付いていることが大切です。

それは、何事においても『自分で最終判断をする』ことです。

勉強でも、進路でも、部活でも、意思決定でも主体性のある子の特徴は、一貫して自分で自己決定していることです。

ただし、何でもかんでも「自分で決めろ」と突き放してしまうと、子どもからすると負担が大きくなってしまいます。

ですから、最初は、ある程度の選択肢を与え、その中から選ばせることが効果的です。

徐々に選択肢の中から選ぶ段階から、一から自分で決めさせていくようにしていきましょう。

ときには失敗させることも大切です。

転び方を教えておかないと、その立ち直り方も覚えることができません。

致命傷にならない程度に失敗を経験させ、そのときの学びも含めて経験させていきましょう。

また、先生や保護者などの大人は、子どもが自分でチャレンジできる場を用意することも大切です。

様々な体験をさせることはもちろん、「失敗してもあなたの味方だ」という気持ちの面のアプローチも含まれます。

子どもの主体性は環境次第でどんどん伸びていきます。

ときには、大胆に子どもに任せることが子どものためになります。

子どもを受け身の人間にしないように、中学校を卒業する前にできることをしていきましょう。

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